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ミュシャ展

週末は都内で開かれた精神分析関係の学会に参加したが、仕事と勉強ばかりの生活というのもよろしくない。時間を見つけて、国立新美術館で開催されている「ミュシャ展」を見てきた。

ミュシャの作品は今までに何度も見てはいるが、今回なんとしてでも見てみたいと思ったのは、チェコ国外では世界初公開と言われる「スラヴ叙事詩」全20作である。一つ書くだけでも大変というような大きな絵が20作も展示されているのは圧巻だった。

本当はオーディオ解説を借りてそれぞれの絵の解説を聞けば勉強になるのだろうが、あまり時間がなくざっと一渡り見ただけだったが、すさまじい迫力とミュシャの祖国と郷土に対する愛が感じられた。そして光の加減が裏からバックライトで照らされているような具合でなんとも言えない技が感じられた。光と言えばレンブラントが有名だが、レンブラントとはまた違う表現である。チェコの人たちは、祖国とミュシャに対して誇りを持っているのではないだろうか。愛は教えられるようなものではない、自然に発生するものだろう。そしてミュシャの祖国への帰国後の絵は、パリでの彼の活動から大きな影響を受けている。そのことも忘れてはならないことに違いないのだ。

なお、同展は2017年6月5日まで開催されている。
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「欲望の弁証法」その他

今年の桜は例年より遅かったようだが、やっと咲いて今日はちらっとではあったが満開の桜を見ることができた。

日本ラカン協会の機関誌「I.R.S.ージャック・ラカン研究」第15号「特集:欲望の弁証法」が届いた。若干厚みは薄いが、内容は興味深いので読むのが楽しみだ。臨床から直接学ぶことも大事だが、書いたものから刺激を受けたり連想を発展させることもまた大事なことである。

同協会の役員になって数年になるが、運営の仕事に加わるという実務的なこと以外に、人の意見を聞いたり討論するということが、よい意味での刺激になる。いろいろと考えさせられたり、ふと見えてくるものがある。また多少脱線した雑談の時間でも、自分がキャッチしていなかった情報や気づいていなかった新刊のことを教えてもらったりということもある。以前、大学院で一時勉強した経験はあるものの、アカデミックな分野での仕事には苦手意識があり、その点ではどのくらい貢献できているのかという思いはあるが、当面は自分なりにできることをやっていきたい。

同協会の夏と秋のワークショップは今年も例年同様行われる予定である。夏のワークショップは7月の後半の日曜日に開かれることになりそうだが、現時点でははっきりした日にちは未定である。また、今まで行われてきた行事以外に、新しい試みとして平日の夜に研究会を開催することが検討されている。この研究会は同協会の会員および会員の紹介者が参加する、セミクローズドと言われる形式になるものと思われる。
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