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メルボルンより朋あり

しばらく前のことになるが、横浜のあるジャズクラブに行くと、音楽家とお客さんが話をしていて、オーストラリアという言葉が耳に入ってきた。どうしてまたオーストラリアなのかと知り合いの音楽家に聞いてみると、件のお客さんはオーストラリア人だと言う。席が近かったので私も話に加わらせてもらうと、その方はメルボルンのある大学院で歴史学を研究し、今年、博士号 (PhD) を取得したのだそうだ。研究に関係があるらしく、その日は氷川丸を見学してきたと言う。ファーストクラスはすごいとか、目を輝かせてHikawamaru を連発していた。私は彼の大学とは違うが、メルボルンで精神分析を研究したので、その話をしたところ、親近感を持ったのか名刺まで頂いてしまった。ながらくオーストラリアに行っていないが、当時のことが思い返された。

思いついたことを書いているこのブログだが、自分の博士論文の話は書いていないような気がする。だいたい博士号を取るのはそれなりに勉強しなければならないが、論文を英語で書くとなるとさらに大変だ。よくもまあ、薄学の自分がやり通せたものだと、やったぜと自慢するどころではなく、本当にあれは現実だったのだろうか?実は願望で、本当は途中で諦めたのではないだろうかと思ってしまう。当時、40代で体力、気力があったからなんとかなったのだろう。Hikawamaru の新しい友人は60代後半だそうで、そのご苦労を推察した。彼は言う。年をとるのは悪くない。より賢くなる (smarter) からだ。そう言えるように年をとりたいものである。
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