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しゃかりき

しゃかりき、という言葉があり私もたまに何気なく使う。夢中になって取り組むことを意味すると思われるが、どこからこの言葉が来たのだろう?取りあえず調べてみた範囲では、お釈迦さまの力、が語源だと述べている資料があった。

だとすれば、いい意味なのだろうが、私の個人的語感では、一生懸命になりすぎて時には勢い余って勇み足加減になりそうな意味合いを感じてしまう。言葉というのはやっかいなもので、時代や場所によって意味にずれが生じるし、個人的な語感もまた個人差があり,その言葉を発した人の意味しようとしたものと受取人の取り方の間になんらかのズレは生じる。

こういうことを前提にすると、何も言えなくなるので、ここでは私の個人的語感に基づいて、「しゃかりき」から連想を続けてみよう。数年前に近所のコンビニが閉店となった。一番近いコンビニだったので、何か急に買いたいものがある時は便利だった。また、今では自宅のプリンターで一応コピーは取れるのだが、当時はコピーをちょいとしたいという時も便利な存在だった。昼間しか行かなかったが、そこそこのお客さんは見かけた。近くにはコンビニ、すなわち競争相手はいないし、閉店になることは考えてもいなかった。私の知る限りでは、たとえば今年一杯で閉店になります等の張り紙もなかった。ところが、ある時、店に出かけると閉まっていてどうしたのだろうとビックリした。コンビニが休みというのは通常はあり得ない。どうも閉店になったみたいだ。その後、2,3回、見に行ったがやはり閉まったままで開く気配はない。

頻繁に行っていたわけではないが、頼りにしていたコンビニが突然閉店になったのだ。別の方角にスーパーはあるが、品揃えが違うのでやはりコンビニがないというのは困るのである。いくら嘆いたところでその店が復活することはないので、どうして店を閉じることになったのか想像を巡らせてみた。

店主の事情によるもの、たとえば高齢化や病気でできなくなったとか、商売替えをしたとか?赤字により商売が立ち行かなくなったのか?統括本部となんらかのトラブルがあるなどして閉めざるを得なくなったのか?その他、いろいろ。

なんの情報もないので、本当のところはわからない。ただ、思いついたこととして、立地から考えて昼間はともかく夜中も店を開けるのは大変そうなことはすぐ想像がつく。夜間ほとんど客が来ないのに、店を開けていれば人件費や電気代はかかり、経営を圧迫しそうだ。夜間に働く人を確保するのも大変だろう。もしも、夜の営業を止めたら経営者としての負担はかなり軽くなりそうだ。

さて、そう考えると、もしそうなら夜の営業をやめればすむじゃないか、ということになる。だが、コンビニを見渡すと、24時間営業、年中無休が当たり前で、正月や盆は休みだとか、23時から6時までは休みだという店舗は見たことがない。確かにいつ行ってもやってくれるのは有り難いことではある。だが、全国通津浦々同じやり方を押し通す必要があるのだろうか、と疑問になる。

コンビニさん、そんなにしゃかりきにならなくてもいいんじゃないの?しゃかりきになって結局、店が立ち行かなくなるより、たとえば8時から21時くらいまでの営業であっても私の近所のコンビニには存在してほしかった。

コンビニは一例であって、連想を拡げれば類似のことはいろいろあるだろう。一生懸命やること、頑張るということはもちろんそれはそれで価値のあることなのだろうが、ものには限度がある。100やらずに、70にペースを抑えれば続くところを、100にこだわるあまり 0になってしまうというのは、あまりに悲しい。
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