SSブログ

精神医学の学会に参加

先週は精神医学の学会があった。幕張メッセという大きな会場だったが、東京駅で京葉線に乗り換える道のりが長い。まあ、歩いて運動になってよいと思うことにしよう。

専門医の更新のため、カードを提示してチェックを受けるのだが、専門医の更新の要件が変わったらしい。今までポイントを貯めるという方法だったのだが、単位制になった。ポイントと単位で何がどう違うのか、メリットやデメリットはなど疑問が湧くが、何が何やらわからずこちらはただ従うしかない。どうも移行期で旧来に近いものと新しいものとの二つのやり方が今のところ併存しているらしい。らしい、というのも最近、機関誌が届かなくなりネット上にある雑誌にアクセスするということになったため、情報取得が面倒で以前より困難になったのだ。新方式で単位を取得する人は各会場に並び入り口でチェックを受けるため長蛇の列をなしている。世の中、強迫的でせちがらくなっているなあ、などと感じながら会場の中をウロウロしたり講演を聞いたりした。

大きな会場では、書店の出店が出る。この学会でも本がけっこう並んでいて、神田橋條治先生の新刊を見つけたので購入した。その本のことはまたあらためて書くかもしれない。

興味深かったのは、「内因性うつ病」についてのシンポジウムだった。DSMの診断基準の流布によりうつ病概念は広くなった。しかしながら、内因性うつ病と言われる、うつ病の中核群を精神病理学的に見ていくことは重要である。興味深い話であっと言う間に時間が経ってしまったが、とりわけ中安信夫先生の話は私には役に立った。中安先生の考えや話は、臨床に直結する、理屈ではない臨床精神病理学である。中安先生のような学者や医師が段々と少なくなってきていることが残念だ。
nice!(12) 
共通テーマ:健康

nice! 12