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ローラン氏訪日中止

フランスの精神分析家、エリック・ローラン氏が来日し、国際三島由紀夫シンポジウムで登壇する予定になっていた。残念なことに、急遽、ローラン氏の訪日が中止となった。先週、パリで起こった同時多発テロの影響を受けてしまった。現時点で、同シンポジウムのホームページにそのことは書かれていないが、ローラン氏の欠席により一部スケジュールの変更がなされるだろう。

ローラン氏と私が初めてお会いしたのは、当時私の住んでいた豪州のメルボルンで精神分析の国際コングレスがあり、そこにローラン氏が招かれたときだった。その後、京都大学での講演のため来日されたときには、友人らと京都のお寺巡りに同行させていただいたことがあった。今回予定されていた講演は、Mishima avec Joyce という興味深いタイトルで、楽しみにしていたのだが、本当に残念だ。それにしても、今後の中東情勢、シリア難民、テロの諸問題はどうなっていくのだろう。思うに、単に悪者をやっつければいいというような単純な問題ではない、ということは確かだ。文化、政治、経済、環境その他、社会すべてが大きく変わる、言ってみれば、今の時代が文明の転換期にあるのだろう。そのことを、一部の政治家や学者に任せるのではなく、ひとりひとりが、情報を得て、学び、思考する必要がある。そしてその成果を私たちの文明、いや人類のみということではなく、地球、宇宙と大きく考え、たとえ少しでも、広い意味での環境をよいものにしていく行為につなげていくことが大切なことであろう。

なお、国際三島由紀夫シンポジウムは11月22日に青山学院大学で催される。事前登録は不要で、一般の方が参加できる。私は、同シンポジウムの運営などに関わっているわけではないし、ローラン氏の講演はなくなったが、三島には元々関心があったので聞きに行こうと思っている。

エリック・ローラン氏は無事で、直接的にパリでの事件で被害を受けたわけではないことを、心配される方がいるかもしれないので、付記しておく。
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